日本株の出遅れは解消するか?


2月にNYダウ平均株価は2万6000ドル台に達し、年末の株安が嘘のような急上昇を見せた一方で、日経平均株価の戻りはNYダウ平均株価に比べて出遅れています。

日経平均株価(N)とNYダウ平均株価(D)の価格比を取ったND倍率は長期的には低下傾向が続いており、NYダウ平均株価が日経平均株価に比べて上昇してきたことを示しています。一方で短期的にはND倍率は上下変動を繰り返してきており、短期的には日経平均株価がNYダウ平均株価よりも優位になることもあります。

直近はNYダウ平均株価が日経平均株価に比べて上昇していたのでND倍率は低下傾向にありましたが、ND倍率の移動平均をみるとND倍率の低下傾向に歯止めがかかりそうな状況になっています。

短期的にND倍率が上昇に転じることになれば、日経平均株価のNYダウ平均株価に対する出遅れが解消することになりますが、注意しなければならないのは、日経平均株価とNYダウ平均価格が共に上昇するとは限らないことです。


例えば日経平均株価が21,500円から21,700円、NYダウ平均株価が26,000ドルから26,100ドルと共に上昇すればND倍率は0.83から0.84に上昇することになりますが、例えば日経平均株価が21,500円から21,200円、NYダウ平均株価が26,000ドルから25,300ドルと共に下落してもND倍率は0.83から0.84に上昇することになります。

ND倍率は単純な価格比なので、ND倍率が上昇に転じるとすれば、日経平均株価がNYダウ平均株価と比べて相対的に良いパフォーマンスになりそう、ということになります。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。