IEA(International Energy Agency;国際エネルギー機関)が7月に発表した “RENEWABLES INFORMATION: OVERVIEW(2017edition)” では、世界全体の一次エネルギー供給と電力供給における再生可能エネルギーの位置付けについて掲載されている。
2015年の一次エネルギー供給における再エネ比率は13.4%で、内訳はバイオマス9.4%、水力2.5%、その他1.5%となっている〔Figure 1〕。
即ち、2015年の一次エネルギー供給における再エネ構成は、バイオマス70.7%、水力18.3%、その他11.1%となっている〔Figure 2〕。
出所:2017.7 IEA “RENEWABLES INFORMATION: OVERVIEW(2017edition)”
出所:2017.7 IEA “RENEWABLES INFORMATION: OVERVIEW(2017edition)”
再エネのうち風力や太陽光の割合はまだまだ小さいが、近年の伸びは著しい。
1990年から2015年までの推移を見ると、一次エネルギー供給の平均的な伸び率が1.8%であるのに対して、再エネは同2.0%で、内訳は太陽光発電(同45.5%)と風力(同24.0%)が突出している〔Figure 3〕。
出所:2017.7 IEA “RENEWABLES INFORMATION: OVERVIEW(2017edition)”
2015年の電力供給における再エネ比率は22.8%で、内訳は水力16.0%、バイオマス1.9%、その他4.8%となっている〔Figure 7〕。
即ち、2015年の電力供給における再エネ構成は、水力70.2%、バイオマス8.3%、その他21.1%となっている。
出所:2017.7 IEA “RENEWABLES INFORMATION: OVERVIEW(2017edition)”
世界全体の再エネ事情を俯瞰すると、一次エネルギー供給ではバイオマスが圧倒的に多く、電力供給では水力が圧倒的に多いということがわかる。
近年の伸びが著しい風力や太陽光が再エネの主役、ましてエネルギー全体の主役になるには、まだまだ相当の時間を要するだろう。
(NPO法人社会保障経済研究所代表 石川 和男 Twitter@kazuo_ishikawa)