再生可能エネルギーは近年、日本でも世界でも急速に導入が進められてきている。その再エネの中で最も注目を浴びているのは、自然エネルギーの2大有望株である風力と太陽光であろう。
では、世界全体のエネルギー需給に占める風力発電と太陽光発電は、現状はどのくらいで、今後はどのような見通しなのか?
先ず現状だが、国連環境計画(UNEP)傘下の研究機関であるREN21によれば、直近2013年のデータとして、最終エネルギー消費に占める風力発電と太陽光発電の比率は合計1.3%未満〔資料1〕、発電電力量に占める風力発電比率、太陽光発電はそれぞれ3.1%、0.9%〔資料2〕。
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<資料1:最終エネルギー消費のエネルギー源構成(2013年)>
(出所:REN21 “RENEWABLES 2015 GLOBAL STATUS REPORT”)
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<資料2:発電電力量に占める電源構成(2013年)>
(出所:REN21 “RENEWABLES 2015 GLOBAL STATUS REPORT”)
次に今後の見通しだが、エネルギー全体で見て、堅く見積もったシナリオ、高めに見積もったシナリオ、その中間的なシナリオなどがある〔資料3〕。
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<資料3>
(出所:REN21 “RENEWABLES GLOBAL FUTURES REPORT 2013”)
これらのうちのどれを期待するかは、それぞれの立場によって異なるだろう。
私としては、IEA WEO や ExxonMobile のシナリオの水準が、最も現実的実務的に的確なものと思っている。即ち、風力・太陽光に水力・地熱・バイオマスを合わせたもので、2040年頃でもエネルギー全体の2割に満たない程度であろうと予想している。
将来において再エネ100%化を目指すことは必然だろうが、そこまでの道はまだまだ遥かに遠い。エネルギー転換は、かなりゆっくりとした牛歩でしか進まないし、進めない。それは、歴史が証明している。
(NPO法人社会保障経済研究所代表 石川 和男 Twitter@kazuo_ishikawa)
※筆者は「Gadgetwear」のコラムニストです。 本稿は筆者の個人的な見解です。