CO2ゼロ電源』に関する世界比較 〜 日本は全然ダメ


日本政府も現在、今秋パリで開かれる第21回気候変動会議(COP21)向けて、CO2ゼロ電源(CO2を出さない電源;No-carbon electiricity generation)の構成比について検討している。

日本の電源構成の推移は資料1の通りであり、現時点ではCO2ゼロ電源の構成比は1割程度しかない。殆どは水力である。原子力については、2011年の東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故を契機として現在はゼロで、この状態が当面続く見通し。新エネ等(いわゆる再生可能エネルギー)は大きな比重を占めるには至れない。

<資料1>
(出所:資源エネルギー庁

欧米諸国の電源構成(2012年断面)については資料2の通りであり、CO2ゼロ電源の大宗は水力と原子力であることが一目瞭然。地熱と風力が比較的大きな比重を占める国もある。世界的には、再エネのうち風力への導入期待が最も大きいようだ。

<資料2>
(出所:U.S. Energy Information Administration

日本でも、世界でも、CO2ゼロ電源としての当面の主役が水力と原子力が主役となっていくことは、容易に察することができる。再エネ(小水力、地熱、バイオマス、風力、太陽光)に関しては、地道に振興していくことが最善であろう。これは、日欧が近年得つつある教訓による。

だた、いずれにしても、資源のない日本で、再エネはそれほど大きな伸びは期待できない上に、原子力ゼロ状態が続いている。これでは、国際交渉の場で勝てるわけもない。そういう点で、このままでは、日本は全然ダメのままという話・・・。

(NPO法人社会保障経済研究所代表 石川 和男 Twitter@kazuo_ishikawa

※筆者は「Gadgetwear」のコラムニストです。 本稿は筆者の個人的な見解です。