デザイナーが区別をする「水色と空色」


あなたはこれを何色だと思いますか?


多くの人が「水色」と答えるこの色は、代表的な色見本帳の1つであるDICカラーガイドによると「空色」である。では「水色」とはどんな色か。


この色であるが、「空色」に比べ「水色」は少し緑がかっていることが分かるだろうか。 実際に赤(Red)緑(Green)青(Blue)の度合いを示すRGB値を比較しても、「空色」がR116/G178/B224に対して「水色」はR107/G187/B200であり、青が弱くなり緑が強くなっているのが分かる。この両者が区別されるようになったのは平安時代といわれているが、その時代でも決して浸透していたわけではなく清少納言の枕草子では空も水も「みどり」と表現されている。ただ現代のデザイナーはこれら二つの色を明確に区別できたほうがよく、さらに組織全体で認識を共通しておくとよい。デザインを始める最初の議論で明確に両者を区別しておけば、ある程度アウトプットされた段階での認識違いによる修正を回避することができる。

他にも「橙色」と「琥珀色(アンバー)」も区別しておきたい。アンバーは表示灯などでよく使われている色名である。RGB値は「橙色」がR237/G122/B37に対して「琥珀色」はR210/G123/B34である。


色名は非常に多くあり全てを把握することは不可能に近い。ただ自分の仕事に頻出する系統や単に好みの系統の色だけは人より多く区別できるなど、一部だけでも把握しておけば強みとなって何かの役に立つことはあるかもしれない。ただ緑が好きだからといって「若葉色」と「若草色」の区別はさすがに難しいが。


(Betonacox Design)

※筆者は「Gadgetwear」のコラムニストです。