気候変動による食料品の値上がりから家計を守る方法




関東甲信地方で記録的な大雪となったり、米国でも大寒波の様子が日本国内でも報道されるなど異常気象といわれる現象が常態化しているようだ。夏にはゲリラ豪雨や竜巻の被害も見られるようになり、地球規模で気候変動が起きているように思う。

すでに国内では大雪の影響で野菜の価格が高騰しているが、地球規模の気候変動となると世界各地で農作物の価格に影響が出るだろう。例えば、南半球のブラジルでは現在干ばつに見舞われているが、ブラジルは農作物の一大輸出国であることからコーヒー豆の価格が高騰している。2012年には米国で大規模な干ばつが起きたことを覚えている方もいるかもしれないが、その際はコーンの価格が急騰するなどの影響が出た。

日本に住んでいると海外の穀物価格の上昇は普段の生活に関係のない話のように聞こえるかもしれないが、コーヒー豆の価格が上昇すれば当然に喫茶店で飲むコーヒーが値上がりするし、米国で生産されるコーンは家畜の飼料として使われているので食肉の値上がり、乳製品の値上がりにつながる。豆類が不作になれば食用油も値上がりするし、菓子類も値上がりするので家計に直結する話なのだ。

穀物価格の上昇に対して何もできないわけではない。商品(コモディティ)相場を対象とした金融商品を活用するのだ。商品(コモディティ)には原油や金属などを対象としたものもあるが、穀物を対象とした金融商品であれば穀物価格の上昇とともに上昇するものがあり、数千円から始められるものもあるので、気候変動に備えて保有を考えてもよいだろう。

食料品が値上がりしてもこれらの金融商品も値上がりしていれば、食料品の値上がりを金融商品の値上がりで相殺できる。天候や在庫に左右されやすい穀物市況は株式が下落しているなかでも上昇することがあり、すでに株式投資などをされている方にとっても分散投資先として魅力的と思われる。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。投資判断は自己責任で。