水星逆行開始で株価や為替相場に変調?―過去数年は無関係


水星が逆行し始めると、意思疎通が上手くいかなくなって、判断ミスや勘違いが増える、通信トラブル、交通機関の乱れが生じる、株価に影響がある・・・など、水星逆行は星占い界隈ではコミュニケーションに問題が起こるとされ、物事が停滞する期間、休息すべき期間と捉えられ、警戒されているようだ(何かしらの転換点になるというポジティブな見方もある)。水星逆行とは、太陽系で地球より内側を公転している水星が他の惑星と逆に動いているように見える現象を言う。毎年3、4回、20日間ほど起こる現象で、今年最初の水星逆行が2月6日から始まっており、2月27日で終わる(出所:国立天文台)。

そうなると、株価や為替相場にどういった影響が起こるか気になるところ。過去水星逆行が起こった時期の日経平均株価の変化率と米ドル対円相場の変化率を調べたのがこの表だ。表中のRは逆行(retrograde)、Dは直進(direct)、つまり水星逆行の終了日だ。変動率は逆行開始日の直前の営業日の終値から直進開始日の直前の営業日の終値で計算している。


日経平均株価の変動率の最低は2011年8月のマイナス12%だったが、2013年3月と6月に始まった逆行期間ではプラス11%とアベノミクス相場が水星逆行を凌駕するものだった。米ドル相場は2010年12月にマイナス2.4%(円高米ドル安)となった一方、2012年11月以降の逆行期間では全てプラス(円安米ドル高)となっている。ちなみに平均値は日経平均株価プラス1.1%、米ドル対円為替の平均はプラス0.5%となっており、株価や為替相場には無関係(むしろプラス?)といえる。

私は星占いを信じているわけではないが、同じ仕事をしていると慣れから生じるミスが出やすくなるので、水星逆行期間は働いている方は日常の業務の見直しを、投資している方なら投資方針の見直しをする点検期間にされてはどうだろう。普段以上に書類やメールのチェック漏れがないように気を引き締める、障害・事故発生時の対応方針を確認する、災害時の避難経路や帰宅ルートの複数確保する、お客様や上司とコミュニケーションをとって認識に食い違いや勘違いが生じていないかを確認するなどしておくとよいかもしれない。株価や為替相場には関係がなさそうだが、自分の相場観と経済・市場環境を照らし合わせて、相場の流れに逆流するようなポジションを取っていないか点検するには良いタイミングだろう。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。投資判断は自己責任で。