宮沢賢治原作『グスコーブドリの伝記』がアニメ映画化され、2012年夏に公開されることが決定した。監督は、『銀河鉄道の夜』『あらしの夜に』を手掛けた杉井ギサブローが務める。
『グスゴーブドリの伝記』は、1920年代に冷害に見舞われた東北の森を舞台に、厳しい自然と向き合う青年の姿を描いた作品。東北岩手が生んだ児童文学の巨人・宮沢賢治は37年という短い人生に三陸沖地震を含む大きな地震や大規模な冷害に何度も見舞われている。それほど厳しい環境でも、賢治は東北岩手を愛し、作品中に登場する架空の理想郷に「岩手」をエスペラント語風にしたイーハトーヴと名付けている。
杉井ギサブロー監督は「今の時代の物語世界として原話をスケールアップしたかたちで演出したいと想っている。賢治の幻想性をアニメーションの映像美として描くことで、賢治からの今の時代へ向けたメッセージとして多くの人に伝えられるエンターテイメント作品として仕上げたいと思う」とコメントしている。